平成17年8月3日、エネルギーの使用の合理化に関する法律(通称:省エネ法)の改正が国会で可決されました。そして平成17年8月10日付官報で公布され、平成18年4月1日より施行されます。
現在、日本は京都議定書の批准に伴い、より一層の省エネを図らないと目標が達成できない状況です。日本の削減目標の2010年度を目途に温室効果ガスの排出量を1990年比で6%削減=現在の−14%の削減が必要になっています。
(1)工場・事業場に対する規制区分の一本化等
現在、工場・事業場のエネルギー管理については、一定規模以上の熱の使用者及び一定規模以上の電気の使用者を規制対象としているところ、これを一本化し、一定規模以上のエネルギーの使用者はすべて規制対象とすることとする。
また、法律の執行強化のため、工場・事業場が登録調査機関の確認調査を受けた場合において、定期報告の提出及び合理化計画の作成に関する規定等を適用除外とする措置を講じ、国は登録調査機関から調査結果の報告を受けることとする。
これは、今まで電気及び熱が第2種エネルギー管理指定工場だったところは、第1種に格上げされる可能性がある改正内容です。従来電気使用量が年間1200万kWh以上、若しくは熱使用量が年間重油換算3000kl以上が第1種でしたが、この改正が行われると電気と熱の合計が重油換算3000kl以上になると第1種になります。
また、第2種エネルギー管理指定工場に指定されていなかったところも、電気と熱の合計で重油換算1500kl以上となると第2種に指定されます。
<第1種エネルギー管理指定工場の義務>
エネルギー管理者の選任義務
中長期計画の提出義務
エネルギー使用状況等の定期報告
<第2種エネルギー管理指定工場の義務>
エネルギー管理員の選任義務
エネルギー使用状況等の定期報告
(2)運輸分野における省エネルギー対策の導入
一定規模以上の貨物輸送事業者、旅客輸送事業者、荷主に対し省エネルギー計画の策定、エネルギー使用量の報告を義務付けるとともに、省エネルギーの取組が著しく不十分な場合に主務大臣が勧告、公表、命令を行う等、運輸分野における対策を導入する。
運輸部門のエネルギー消費に起因するCO2排出量は2002年度で1990年度の+20%となっているため、運輸部門の規制を強化する内容です。
(3)住宅・建築物分野の省エネルギー対策の強化
一定規模以上の非住宅建築物を新築等をする場合の所管行政庁への届出に、大規模修繕等を行う場合を追加する等の措置を講ずるとともに、一定規模以上の住宅においても非住宅建築物と同等の措置を講ずる。
(4)消費者による省エネルギーの取組を促す規定の整備
消費者による省エネルギーの取組を促すため、消費者に対してエネルギーを供給する事業者及び機器の小売事業者による情報提供についての規定を整備する。
民生部門の排出量は2002年度で、1990年度比+33%と大幅に増加しているため、民生部門の規制を強化する内容です。
新しいエネルギー管理士試験の枠組みについては、エネルギーの熱・電気一体管理を行う上で十分な能力を有することを大前提に、新しいエネルギー管理士になろうとする方への過度の負担を避ける(専門分野の課目選択制等)とともに、現行の熱管理士及び電気管理士の方に対する負担については、新しい試験の枠組みを前提としつつも、最大限負担を軽減する(一部課目の免除等)ことが必要。また、平成17年度までの試験合格者や課目合格者に対しては、それまでと同様に課目の免除が認められるようにする必要がある。
今回の改正では、第1種エネルギー管理指定工場は熱と電気の使用量合計で指定されるため、選任されるエネルギー管理士も熱と電気両方の知識が必要との見解から新エネルギー管理士(仮称)が創設されます。改正された省エネ法施行後は第1種エネルギー管理指定工場は、新エネルギー管理士を選任する必要があります。なお、経過措置として、第1種エネルギー管理指定工場は改正後5年間にかぎり、エネルギー管理士(電気)1名とエネルギー管理士(熱)1名の計2名を選任すれば新エネルギー管理士を選任しなくてもよいとされています。
そして一定条件(電気主任技術者の兼任同様、近隣であること等が条件)のもとに、エネルギー管理士の兼任が認められるようです。
<新エネルギー管理士になるには・・・>
1.熱・電気両方のエネルギー管理士免状保有者は、そのまま新エネルギー管理士とみなされます。
2.電気か熱の一方の資格をお持ちの方は下記のアかイにより新エネルギー管理士となります。
ア.特別研修において、講義・修了試験を経て研修を修了し、免状申請により新資格を取得する。
イ.新試験において課目1を受験・合格し、免状申請により新資格を取得する。
ちなみに課目1はエネルギー総合管理及び法規で、試験範囲は
エネルギー情勢・政策
エネルギー概論
エネルギー管理技術の基礎
(「工場・事業場判断基準」の理解に資する内容)
エネルギーの使用の合理化に関する法律及び命令
となっております。試験は比較的簡単ですので、旧エネルギー管理士の方は受験することをおすすめします。
【書籍】
電気主任技術者
電気工事士
エネルギー管理士
技術士(電気電子部門)
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