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力率と皮相・有効・無効電力


力率の意味

力率のイメージ

力率は電圧と電流の位相角の余弦、つまりcosθ(θ:位相角)で求められます。
交流では力率の値が大きな意味を持っています。
力率というのは、電気の使用効率のようなものです。
たとえば重い荷物を人間2人で持ち上げる場合、必ず
「せーのっ!」
て言います。
2人がまったく同時にりきんだとき、一番力が発揮できます。
逆にりきむタイミングがずれると力は弱まります。
電気の場合、交流の電圧が最大値になる瞬間と、電流が最大値になる瞬間が完全に同時だと一番電力を消費します。このときの力率は100[%]となります。

抵抗とインダクタンスとコンデンサの電圧・電流と電力

図1のような回路の電圧と電流を考えます。
図1

Irは、
Ir=V/R[A]
です。
L[H]のリアクタンスは、
Xl=ωL[Ω]
なので、Il[A]は
Il=V/ωL[A]
になります。
同様にC[F]のリアクタンスは、
Xc=1/ωC[Ω]
なので、Ic[A]は
Ic=V/(1/ωC)
となります。
抵抗を流れる電流のベクトルは電圧ベクトルと同相、インダクタンスに流れる電流のベクトルは電圧ベクトルより90[°]°遅れ、コンデンサを流れる電流のベクトルは電圧ベクトルより90[°]進むことから、Ir、Il、Icという3つの電流は図2のようになります。
図2

ただし、図2はIl>Icとしています。
よって電源から流れる電流I[A]は
I=√Ir2+(Il-Ic)2
となります。
IはVよりθ[°]遅れていますので、この回路の力率は遅れ力率となり、その力率pfの値は
pf=cosθ×100=(Ir/I)×100
となります。
もしIl=Icだとすると
θ=0[°]
となり、力率pfは
pf=cosθ×100=cos0×100=100[%]
となります。

図2で、電圧V[V]とIr[A]の積を有効電力、電圧V[V]と電流Il-Ic[A]の積を無効電力といいます。
また、電圧V[V]と電流I[A]の積を皮相電力といいます。

皮相電力と有効電力と無効電力

力率は有効電力と無効電力の比率を表す

交流電源に負荷を接続すると、電流が流れます。

単相交流の電圧Vが100[V]、抵抗Rの抵抗値が10[Ω]だとすると電流Iは、
I=V/R=100/10=10[A]
となります。
皮相電力は、交流回路において単純に電圧と電流を掛けた値です。
単相皮相電力Sは
S=VI=100×10=1000[VA]
となります。
有効電力は、皮相電力に力率を掛けた値です。
負荷が純抵抗の場合、交流電源の電圧と電流は同じ位相、つまり位相差は0[°]ですので、単相有効電力Pは、
P=VIcosθ=100×10×cos0[°]=1000[W]
となります。

抵抗の代わりに10[Ω]のインピーダンスのインダクタンス(コイル)を接続すると電流Iは、
I=V/R=100/10=10[A]
となり、抵抗をつないだときと変わりません。
よって単相皮相電力Sも、
S=VI=100×10=1000[VA]
となり、抵抗をつないだときと変わりません。
交流電源にインダクタンス(コイル)を接続すると、電流は電圧より90[°]遅れますので、単相有効電力Pは、
P=VIcosθ=100×10×cos90[°]=0[W]
となります。

抵抗の代わりに10[Ω]のインピーダンスのコンデンサを接続すると電流Iは、
I=V/R=100/10=10[A]
となり、抵抗をつないだときと変わりません。
よって単相皮相電力Sも、
S=VI=100×10=1000[VA]
となり、抵抗をつないだときと変わりません。
しかし、交流電源にコンデンサを接続すると、電流は電圧より90[°]進みますので、単相有効電力Pは、
P=VIcosθ=100×10×cos90[°]=0[W]
となります。

抵抗をつないだときも、インダクタンス(コイル)やコンデンサをつないだときも、同じ電圧100[V]で電流10[A]が流れているのに、有効電力は1000[W]と0[W]で、まったく違う数値になります。
有効電力とは、エネルギーとして消費された電力のことで、電球であれば光や熱に姿を変えたエネルギーのことです。力率が100[%]のときは皮相電力=有効電力となります。
抵抗の場合、力率であるcosθが
cosθ=cos0[°]=1
になりますので、電圧と電流によって運ばれた電力エネルギーは100%姿かたちを変えて消費されています。
しかしインダクタンス(コイル)やコンデンサを接続した場合は、力率であるcosθが
cosθ=cos90[°]=0
となりますので、電圧と電流によって運ばれた電力エネルギーは消費されていません。
インダクタンス(コイル)の場合はコイルの周囲に磁界の形で蓄積され、コンデンサの場合はコンデンサを充電しているだけで、エネルギーとしては消費されていないのです。
このようなエネルギーとして消費されていない電力を無効電力といいます。
無効電力というのはエネルギーとして消費されないので、電源・電線・負荷の間を行ったり来たり移動しているだけの電力なのです。
つまり、力率が高いほど、有効電力の割合が多く、小さいほど無効電力の割合が多くなるということです。
単相の無効電力Qは、
Q=VIsinθ[Var](「バール」と読む)
となります。

よって先ほどの抵抗の代わりにインダクタンスやコンデンサを接続した場合の無効電力Qは、
Q=VIsinθ=100×10×sin90[°]=1000[Var]
となり、電圧と電流によって運ばれた電力エネルギーは100%うろうろしているだけなのです。

三相の場合は、
皮相電力S=√3VI[VA]
有効電力P=√3VIcosθ[W]
無効電力Q=√3VIsinθ[Var]
となります。




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