都心部のビル郡など、過密化した電力需要に対応するため、契約電力2000kW〜10000kW程度の需要家には22kV配電が採用されています。
22kV配電には、1回線受電・本線予備線受電・ループ受電・スポットネットワーク受電があります。
特に高い供給信頼度が求められる大型ビルなどには、スポットネットワーク受電方式(SNW方式)が用いられます。
図1

図1は、スポットネットワーク受電方式の図です。
変電所からは、3回線の配電線が送り出されています。
この3回線のうち、1回線が故障し停電しても、他の正常な回線より無停電で受電を継続することができます。
変圧器の2次側が3相4線240/415Vの低圧の場合は低圧スポットネットワーク方式、3相3線6.6kVの高圧の場合は高圧スポットネットワーク方式と呼ばれます。
図2

図2は、低圧スポットネットワーク方式の図です。
図1の需要家の断路器DSは、変圧器の励磁電流を開閉するために設置されています。
高圧スポットネットワーク方式の場合は断路器ではなく、遮断器を用います。この遮断器は変圧器2次側の短絡電流を遮断する遮断容量を持たせます。
変圧器Trは、配電線の1回線が停電しても残りの正常な回線から受電し継続して電力を供給するため、定格の130%過負荷運転を連続8時間継続できるように選定されています。
プロテクタヒューズPro,Fは変圧器2次側の短絡保護のために設けられます。
高圧スポットネットワーク方式の場合は省略されます。
ネットワークリレーNWRyは、電力方向継電器と位相比較継電器を組み合わせています。
このネットワークリレーは、逆電力遮断・差電圧投入・無電圧投入の3大特性を制御します。
プロテクタ遮断器は、ネットワークリレーの動作によって遮断・投入します。
幹線保護用遮断器CBは幹線の短絡や地絡の事故除去のために設置されます。
スポットネットワーク受電方式には逆電力遮断・差電圧投入・無電圧投入の3大特性と呼ばれる制御があります。この3大特性の制御はネットワークリレーが制御しています。
変電所からの配電線に事故が発生すると、変電所の送り出し遮断器がトリップします。
仮にNo.1〜3の3回線中、No.3回線が事故停電したとします。
すると需要家ではNo.1及びNo.2から受電しますので、No.1及びNo.2変圧器2次側の電圧がNo.3変圧器2次側に掛かり、昇圧され変圧器1次側にも電圧が掛かってしまいます。この電圧で変電所からの配電線を充電してしまうため電流が流れます。この逆送電ををネットワークリレーが検出して、No.3回線のプロテクタ遮断器を遮断する制御を逆電力遮断といいます。
No.1〜3の3回線中、No.3回線が停電したとします。
すると需要家のNo.3回線のネットワークリレーが動作しプロテクタ遮断器が逆電力遮断されます。
その後、変電所の送り出し遮断器が投入されると、No.3回線が充電されます。
このとき、No.3回線のプロテクタ遮断器は遮断状態ですので、プロテクタ遮断器1次側にはNo.3回線の変圧器2次側の無負荷時の電圧が印加されている状態です。一方、このプロテクタ遮断器2次側には、正常運転を継続しているNo.1回線の変圧器及びNo.2回線の変圧器の負荷時の電圧が印加されています。
よってNo.3回線のプロテクタ遮断器の1次側と2次側では、電圧に差が生じることになります。
この電圧の差をネットワークリレーが検出して、No.3回線のプロテクタ遮断器を投入する制御を差電圧投入といいます。
No.1〜3の3回線中、全回線が停電したとします。
すると需要家の全回線のネットワークリレーが動作しプロテクタ遮断器が逆電力遮断されます。
その後、No.1回線から送電が再開されたとすると、需要家のNo.1回線のプロテクタ遮断器1次側に電圧が掛かります。プロテクタ遮断器2次側は停電していますので無電圧状態です。
この状態をネットワークリレーが検出して、No.1回線のプロテクタ遮断器を投入する制御を無電圧投入といいます。
その後、No.2回線やNo.3回線の配電線の送電が再開されると、差電圧投入で順次投入され平常状態である3回線受電に復帰します。
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