省エネ法とは、正式には「エネルギーの使用の合理化に関する法律」といいます。
省エネ法の目的は、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場、輸送、建築物及び機械器具についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとし、国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。(省エネ法第1条)
この法律のエネルギーとは、燃料並びに熱(燃料を熱源とする熱に代えて使用される熱であって政令で定めるものを除く。)及び電気を指します。また、燃料とは、原油及び揮発油、重油その他経済産業省令で定める石油製品、可燃性天然ガス並びに石炭及びコークスその他経済産業省令で定める石炭製品であって、燃焼その他の経済産業省令で定める用途に供するものをいいます。(省エネ法第2条)
経済産業大臣は、一定以上のエネルギーを使用する工場を、エネルギーの使用の合理化を特に推進する必要がある工場としてエネルギー管理指定工場に指定します。指定はエネルギーの使用量に応じて、第一種と第二種に区分されています。
省エネ法でいう工場とは、物品を製造する純粋な工場だけではなく、ビルやデパート等エネルギーを使用するものすべてが含まれています。
第一種エネルギー管理指定工場の指定条件は、エネルギー使用量が原油換算3000kL/年以上となっています。第一種エネルギー管理指定工場に指定されると、
@エネルギー管理者の選任義務
A中長期計画の提出義務
Bエネルギー使用状況等の定期報告義務
があります。
またエネルギーの使用の合理化の状況が判断基準に照らし著しく不十分であるとき大臣の指示、公表、命令(罰則)を受けることがあります。
第一種エネルギー管理指定工場を設置している者を、第一種特定事業者といいます。
第二種エネルギー管理指定工場の指定条件は、エネルギー使用量が原油換算1500kL/年以上となっています。第二種エネルギー管理指定工場に指定されると、
@エネルギー管理員の選任義務
Aエネルギー使用状況等の定期報告
があります。
またエネルギーの使用の合理化の状況が判断基準に照らし著しく不十分であるとき大臣の勧告を受けることがあります。
第二種エネルギー管理指定工場を設置している者を、第二種特定事業者といいます。
第一種特定事業者のうち、製造業(物品の加工修理業を含む)・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業以外の工場を設置している者を第一種指定事業者といいます。第一種指定事業者は、第一種特定事業者の義務の一つであるエネルギー管理者の選任義務がありません。しかし、中長期計画の策定にエネルギー管理士を参画させなければいけません。参画とは、現場を十分に理解してもらい、工場又は事業場における実地の診断を踏まえたエネルギーの使用の合理化に関する提案、例えば中長期計画における計画内容及びエネルギーの使用の合理化における改善点、エネルギー削減対策の提案を指します。
エネルギーの使用量は、燃料や電気の使用量を発熱量に換算し、さらにその発熱量を原油量に換算します。
@燃料や電気の使用量に単位発熱量を掛けて発熱量に換算します。
代表的なエネルギーの単位発熱量の例
都市ガス(13A) 45MJ/m3(ガス会社による)
液化石油ガス(LPG) 50.2GJ/t
A重油 39.1GJ/kL
B・C重油 41.7GJ/kL
昼間電力 9.97GJ/千kWh=9.97MJ/kWh
夜間電力 9.28GJ/千kWh=9.28MJ/kWh
上記以外の電力 9.76GJ/千kWh=9.76MJ/kWh(昼間・夜間の使用量把握が難しい場合)
A@で求められた燃料や電気の発熱量を合計し、原油換算係数を掛けて原油換算量を求めます。
原油換算係数 0.0258kL/GJ
テナントビルのエネルギー使用量は、少々複雑です。
省エネ法は、エネルギーの使用を合理化する目的があります。テナントビルでエネルギーの使用を合理化するには、
@建物所有者(ビルオーナー)が努力してできること
Aテナントが努力してできること
に分かれます。
たとえば、ビルの廊下等共用部分の照明器具を高効率のものに交換し省エネを図るには@にあたります。
また、テナント事務所内のパソコンは使用しないときに電源を切るといった努力はAにあたります。
よって省エネ法では、建物所有者とテナントのどちらがエネルギー管理権原を有しているかによって、エネルギー使用量の算定基準が異なってきます。
建物所有者にエネルギー管理権原がある場合とは、建物所有者にエネルギー使用設備の設置及び更新権限がある場合を指します。
テナントにエネルギー管理権原がある場合とは、エネルギー使用設備の設置及び更新権限がテナントにあり、そのエネルギー使用量が計量器等により特定できる場合を指します。
なお、テナントが使用・利用している部分で、エネルギー管理権原が建物所有者とテナントとに分かれており、それぞれ又はどちらかのエネルギー使用量が計量器等で特定できない場合には、使用量を把握できるまでの間は、建物所有者にエネルギー管理権原があるとしています。
ビル全体のエネルギー使用量が第一種エネルギー管理工場に指定される量であっても、上記のとおり、建物所有者分とテナント分に分けて算出すると、ビル本体(建物所有者)は第二種エネルギー管理工場、テナントは無指定となる場合が多々ありますので注意が必要です。
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